【6月の防災WG 神戸・石巻・熊本のトイレ事情に学ぶ】

さる6月25日に6月度の防災WG定例を開催いたしました。
今回は防災WGも参加しているNPO法人日本トイレ研究所(トイレ研)様にて”災害におけるトイレの事例”という趣旨の勉強会が開催されたため、その参加報告と情報共有を行いました。

トイレ研では、これまで東北など被災地でのトイレ環境改善において積極的に活動を行い、衛生環境の向上など様々な成果を上げて参りました。と同時に実際に被災地でのトイレ環境に触れることにより、公衆衛生環境の構築と運営に多大なノウハウをお持ちです。今回の熊本地震においても現地に入り様々な活動を行い、それらの様子を勉強会で報告いただけるとあって、マンション防災の面でも何か気づきのポイントを見出せないかと思い、勉強会に参加した次第です。

先の防災フェスなどで被災地のトイレ事情については情報を頂きましたが、被災地のトイレに関しては、やはりいつ拝見しても大きな課題を突き付けられる思いがします。また、不思議と見るたびに何か新しい気づきを得られます。
まずは阪神淡路の時のトイレ事情が紹介されていました。
当時、仮設トイレは行政施設を中心に比較的多く設置されていたようですが、大体5日程度で使用ができなくなったようです。理由は至ってシンプルで、バキュームカーが圧倒的に足りない、そしてだんだんきれいに使うことができなくなり、全て使用禁止になってしまっていたようです。これ、実は自分たちに当てはめてみても状況は変わっていません。
川崎市(中原区)のバキュームカー台数にも限りがあり、潤沢ではないことが想像されます。反対に住民数はどんどん増えていっていますので、単純に考えても神戸と同様の事態は他人事ではないと言えます。やはりそれらを打破するのは自分たちで衛生を確保できるよう備えることに尽きるのではないかと思う次第です。

次に石巻の事例が紹介されていました。石巻の事例も過酷なものでした。津波などで既存のトイレは早々に壊滅してしまっているため、袋を入れた段ボールに用を足しているような事例もありました。「自分はこの状況で用を足せるか」「水も十分にない中、自分はこのような中で衛生状態を確保できるのか」事例の写真を見ながら思わず自問自答してしまっていました。
石巻の事例ではその他の気づきもありました。仮設トイレは汎用品のため、使う人のニーズに必ずしもマッチしない、色々な人が快適に使えるよう、色々なニーズを取り込んでいこうという取り組みも紹介されていました。和式を洋式に変える、上着をかける場所を確保する、照明を用意する、ペーパーのストックを湿らず置けるよう上に棚をつくる(個人的にはどれも標準装備でないという点にびっくりではありましたが)・・
これは一つ、トイレを単に用を足すための空間から、パーソナルな空間という考え方を取り入れることにより、色々な方がより快適かつ清潔に使えるようにするにはどうすればよいかという観点が形になったものではないかと考えました。

最後に熊本の事例が紹介されていました。東北にもあった和式を洋式にする点がかなり重要なポイント(特にご高齢の方のご利用など)になっていたようです。併せて車内で避難生活をしている方も仮設トイレを利用するため、特に夜などどのように誘導すべきか(ホームセンターなどにある、突き刺すタイプのソーラー照明が大活躍したとのことです)、東北でも直面した、より多くの方がトイレを利用できるようにするにはどうすればよいかの課題に取り組まれた様子が強く伝わってきました。
熊本のある避難所ではマンホールトイレが活躍したようです。くみ取りがいるトイレと異なり、下水に直接つなぐことにより、長期間安定稼働することができたという実績が得られた模様です。自分たちのマンションがマンホールトイレが使える環境なのかを確認する必要がありますが、もし使えるならば大きな武器になることが予想されます。
熊本もまた多くの気づきに触れられる事例でした。

このように、これまでの被災地のトイレに関する事例から、現状のマンションの備えにはどのような課題があるか、その課題を解決するにあたり、必要なアイデアはどのようなものがあるかについてディスカッションを行いました。
そのほかにも情報収集の現状確認や家具対策に関しての進め方など、多くのテーマでディスカッションを行い、次のアクションを決めました。
今回も密度の濃い定例となりました。ここでのディスカッション内容をもとに、それぞれのテーマを前に進めて参ります。

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